癒しの空間を彩る仏像 - 霊験巡礼

癒しの空間を彩る仏像

 健康に関する話題がとにかく増えています。サプリメントや健康器具だけでなく、「○○健康法」とか「~は健康にいい」とか、とかく健康についての話題は枚挙に暇がない状態です。

 現代人はいつから不健康になったのでしょう?

 平均寿命が延びている昨今で、医療機関も極端に不足しているわけではない時代です。
 確かに、現代の対極である戦乱の世では、自身の健康について話題にする余裕もないでしょう。平穏な時代だからこそ、今日と同じ明日が来ることに、何の疑問も抱かなくなります。明日が今日より悪化する状況になることを、決して望まないのが人間です。

       癒し


 そういった意味で、現代人は健康そのものに関心があるのではなく、健康を阻害する不安を取り除くことに夢中になっているのかもしれません。

 ただ健康といっても、カラダだけでなくココロも無視できません。健康法や健康食品には、この点でどうしても限界があります。例えば、健康のためにジョギングを毎日しようと思ったとします。ところが続けることが苦痛になり、ジョギングという健康法がストレスの要因になってしまうという、笑えない話もあるくらいです。
 ここで注目したいのがセロトニンです。最近の脳神経研究により、「癒し」効果のセロトニン分泌が注目されました。

 目覚めが悪く、起きてからも、何となく調子が出ない。

 こんなことありませんか?


 セロトニン神経は脳の中心にある脳幹にあります。脳幹のさらに中心部分に縫線核という部分があり、ここにあらゆる脳神経系と結合し、脳に多大な影響をもつ神経として存在するのです。
 カラダの面では交感神経に影響し、覚醒後の行動を可能にする状態にします。ココロの面では、平常心を保つ覚醒にはたらきます。
 ココロの状態に関係する神経といえば、ドーパミンとノルアドレナリンがあります。ドーパミンが快感や陶酔感を増幅させるのに対して、ノルアドレナリンはストレスによる覚醒反応を引き起こします。
 セロトニンは、この二つの神経に対して抑制作用を及ぼすものです。語弊を承知で分かりやすく言えば、興奮と不安のバランスをとるもの、ココロを中庸にするもの、となります。

 セロトニンは感情や行動に関係するだけでなく、食欲、睡眠、生殖といった基本的な欲求、さらには運動、体温、呼吸、消化、排尿などの身体の機能にも密接に関係しているのが特徴です。

 このセロトニン神経が弱まると、様々な症状を引き起こすことになります。中枢神経系のバランスが崩れるため、覚醒状態をコントロールできなくなります。軽い症状では、目覚めが悪く、起きてからも何となく調子が出ないといった程度ですが、これが酷くなると、俗に「現代病」という症状に発展してしまいます。

 鬱状態、パニック発作、過食症・拒食症です。さらに「キレる」という状態も、過激な行動を抑えられなくなることから、セロトニン神経が弱まっている状態だといえます。
 逆にシナプスを経て受容体に放出されるセロトニンが多ければ、快感物資のドーパミンや不快物質のノルアドレナリンを抑制するので、心身ともに適度な状態を保てるということになります。

 現代人の大きな問題として、このセロトニンのシナプスへの再回収が減少していると言われています。原因としては、慢性的なストレスにより、セロトニンの再取り込み口が塞がれてしまうそうです。つまりセロトニンを適度に分泌していても、現代生活ではまだ不足しやすい状態だということです。

 さらに加齢による身体機能の衰えも関係してきます。日常の中に埋没するだけの生活では、癒しの場がありません。

 外出せず、一日中部屋にこもってゲームをする子供たちも要注意です。「キレる」要素を生み出しているからです。

 セロトニンは基本的なリズム運動により活性化するという特性があります。毎日の生活を注意することで、正常レベルに保たれます。
 では具体的にはどうすれば良いのでしょうか? 
 生活習慣の改善が一番です。適度な運動と意識的な呼吸法などとともに、日常の中の非日常的な「癒し」空間を創出することが最適かもしれません。
 さらに具体的な提案としては、巡礼仏像です。

 セロトニンは疲れ過ぎたり、サプリメント食品に頼りすぎることはマイナスに作用します。
 そこで、適度なウォーキングと癒しの空間という意味で、巡礼・遍路の旅は大いに意味があります。
 ただ旅はずっと出来るものではありません。経済的にも、時間的にも限度があります。そこで自宅にいながら癒される空間を創るということも必要です。巡礼地と同じ空気に包まれる場が、一番身近な自宅にあったらどうでしょうか? ストレスを抑制し、当り前の生活に潤いを与えてくれます。

※遍路・巡礼の本来の出発点は、弘法大師空海が真言密教第八祖となった中国長安(西安)の青龍寺です。現在、幻の小冊子「空海」を限定で無料プレゼント実施中です。

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※温泉は旅に最適ですが、ニセ温泉の氾濫、効能のない名だけの温泉も数多くあります。やはり本物にこだわりたいものです。

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 仏像を置く、しかも仏壇ではなく、自分や家族のための空間に置くのです。仏像をインテリアとしても、決して悪くないのです。
 弘法大師空海の坐像は祖師像ということで、仏像の一種です。日常の生活を送る空間に、お大師様が傍で見守ってくださるということを想像してみてください。遍路に出ることなく「同行二人」の生活が送れます。無言の弘法大師ですが、その前に立ったとき、きっと心に何かを語ってくれるはずです。

 例えば、

「医王の目には、途に触れて、皆薬なり」

と、語りかけてくれるかもしれません。

       大師像


「優れた医師の目からみれば、路上に生える草は、すべて薬になる。分からないのは誰のせいでもない、自分の能力、性向による」ヘンなストレスを溜めることなく、自らの「覚知」を理解しなさい、と語られたら、あたりまえの生活に必ず変化が訪れるでしょう。

 遍路旅の途上で触れる大師堂が、自宅にそのまま現われるようです。
 思わずどこかのお寺のご詠歌を口ずさんでしまうかもしれません。

       寝釈迦


※寝釈迦像との巡りあい、これも癒し効果が感じられることでしょう。上の画像は、「関東の高野山」行道山浄因寺の寝釈迦です。

  詳しくは紀行文で紹介している、こちらをクリック

 また、最近人気の高い十二支守り本尊を置くのも良いでしょう。

       八体ベッド


 十二支守り本尊とは、生まれ年の十二支によって守護してくれる仏様が定まっており、八つの仏様に対応しているというものです。

 十二支は方位に基づいて定まり、時空を正確に捉えています。八つの仏様はそれに準じて対応し、守護してくださるのです。あらゆる禍いを福に転じ、諸々の願いを成就させるといわれ、人々の「開運」「厄除」「祈願成就」「難病克服」「心の癒し」を齎すという超宗派の信仰です。

 仏教の十二獣が人々を救う如来や菩薩の化身とされ、十二支の守り本尊として見守ってくださるのです。

       大日如来


 この起源は、様々な説がありますが、一説には密教の儀式「結縁灌頂」の投華得仏に由来するといわれています。曼荼羅の前に立ち、目隠しをし、花を投げ、落ちた場所にある仏菩薩が、生涯の守り仏となるというものです。弘法大師空海が投げた花が、401ある仏菩薩の中で、胎蔵界・金剛界とも大日如来の上に落ちたということで有名な儀式です。

 この投華得仏と方位、仏教の十二獣等のあらゆる要素を内包し、守り本尊は神秘的な力を発するのかもしれません。

 また、江戸時代の旅人が懐に入れて道中した「香合仏」(懐中仏)のように、守り本尊を部屋に置くだけでなく、肌身離さず身につける方も少なくありません。最先端ビジネスで活躍される方々も、ポケットの中に白檀の高貴な香りを漂わせた香合仏を入れ、殺伐とした気持ちを癒しているのかもしれません。何となく頷ける話だといえます。

 いずれも混沌とした世情の中で、自分自身をお守りしてくださるご本尊様が、きっと応えてくださるのではないでしょうか。

 科学的にも、お守りしてくださることが、セロトニンの分泌を促進し、ストレス社会に対抗しているのかもしれません。

 さらに、仏像に使われる最高級の香木・「白檀」についても触れておく必要があるでしょう。
 守り本尊のような仏像にとっては、出来栄えだけでなく素材の良し悪しが価値・利益を決定するともいわれます。白檀は、古来よりご神体としての霊木や、そのものに霊性を持つともいわれています。仏像の起源説話では、沈香・丁子・鬱金・竜脳と並ぶ五香の一つとして、貴重なものとして扱われています。また緻密な彫刻が可能な堅木であるばかりでなく、「壇」は「人間にとって有用な樹」という意味を表し、精神の鎮静、排尿作用の促進、抗菌作用があるといわれています。さらに高貴な香りについては、「華厳経」で「菩薩の堤心の如し」とされています。

 セロトニンの癒しと同様に白檀についても、同様の効果があることが分かります。

 古来より続く伝統は、脳神経研究が発達した現代でも充分に意味があることだったのです。改めて理解できます。先人たちは、仏教的な文化の中に科学的な効用を齎していたわけですね。
 ところで、白檀の他に使われる木の種類としては、檜、榧、樟、柘植などがあります。木彫仏像というものです。
 木地を彫ったままの仕上げと、漆を塗ったり彩色を施したり、さらには金箔を押したりして加工する仕上げとに分かれます。造りも、一木造りと寄木造りがあります。
 日本は良質な木材が豊富であることから、材料が木のものが多いといえます。しかし、白檀は日本にはほとんど無いため、どうしても輸入になりますが、原木はワシントン条約の規制品目になっています。希少価値が高くなるのも当然です。

 仏像の製作方法としては木彫以外にも、漆を塗り固めて造る乾漆仏像、粘土で造る塑像、石を彫刻する石仏、そして金属で造られる鋳造仏像などがあります。

      石仏


 鋳造仏像は銅合金が圧倒的に多いのですが、加工と入手方法の容易さが原因だったと思われます。有名なものでは奈良や鎌倉の大仏ですが、木彫とは異なった趣と迫力に満ちているのが分かります。

       釈迦像


 自宅に仏像を迎え入れる場合、製作方法や材質に拘る必要はないかもしれません。大切なのは仏像との邂逅であり、平凡な生活の中に癒しの空間が生まれるということです。その際に、合掌する習慣がない人が、無理にする必要はないでしょう。自然と手を合わせるときは必ず訪れるはずです。

       苦行釈迦


 ただ最後にひとつ言えることは、健康食品や医学的な効果・効能だけの仏像という捉え方は、逆に危険な側面があるということです。自然と手を合わせ、落ち着いた癒しの瞬間を手に入れることの効用を、怪しい新興宗教が利用しているかもしれないからです。騙す手口に使われては、せっかく手に入れた健康と引き換えに、金銭的な損害を招き、最終的には精神まで狂わせてしまうかもしれません。

 だからこそ本物を知り、快適な健康生活のための邂逅があることを、私たちは日夜祈っているのです。
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